廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⒁

外交が落ち着いたので工場に専念出来るようになりました。

この頃、トヨタ式の考えを取り入れ3年で、僕がはりまやにいなくても仕事が回るようにしようと目標を立てました。そう思った理由は、90日間の研修を終えて自分自身がもっと成長しないと、はりまやも家族も幸せに出来ないと感じたからです。自分がもっと成長するために次のステップの研修が必要だと感じていました。次の研修は10ヶ月間です。その研修を受けた方から「研修期間中は仕事が出来ないと思ってチャレンジした方がいいよ」とアドバイスを貰っていたからです。現状ではとても無理です。その為に3年という目標を立て、早く取り組まなければなりませんでした。

工場の工事、ドライ機(パーク)の入れ替えと静止乾燥機導入、レイアウト変更の工事は終わっていました。
父親は以前の作業の仕方で仕事をしていました。洗い全般を父親がしていて、仕上げは職人さんとパートさん二人、包装と雑用を母親が受け持っていました。この環境でどういう作業の仕方をしたら良いか、伊藤先生に指導してもらいながら進めることになります。

先生に言われた事は3つあります。
1つは、今まで洗う量は大体で「カサ」で洗っていたのを点数を数え決めた量で洗う、仕分けないで色んな種類の品で洗う、勿論一緒に洗えない品は分けますが洗えるように工夫する。
洗う点数を決めるには、ドライ機の稼働時間を調べる、これはタイマー設定した時間ではなくて、スタートボタンを押してドライ機が停止してドアが開けれるようになる迄の時間です。実際にドライ機が動いている時間とタイマーの時間は違います。ドライ機はいつも同じ時間で止まってくれません。
もう一つは1時間に何点ぐらい仕上げられるか、これは同じ品ばかり仕上げているとバラけます。仕上げやすい品は沢山仕上りますし、仕上げにくい品は少なくなります。ですので色んな品を仕上げるようにして何点仕上がるか調べます。
それらが分かれば洗う点数が決まって来ます。
次に洗いと仕上げのバランスを取る為(洗いすぎないようにするため)に、「標準手待ち」の量を決めます。これを置いておく場所を「ストアー」と言います。1ワッシャー分の点数とウェットの乾燥出来た分を標準手待ちとしました。
3つ目は、仕上げたら包装してから次の品の仕上げをするという、仕上げと包装をセットとして考えて作業をする、という事でした。

そして、その為にはまず、父親の仕事をどうするかでした、先生と相談した結果、僕が洗い全般をして父親をYシャツ全般の仕事をして貰おうと考えました。Yシャツの方の工事はまだ始まっていませんでしたが、取り合えず今は外注に出しているYシャツの手直しをして貰おうという事になりました。当時はまだYシャツは全てタタミ仕上げでした。

1つ目と2つ目は僕の担当になりますので、それは僕がすれば出来ます。3つ目は職人さんとパートさんにしてもらう事になります。パートさんはお願いすれば取り敢えずしてくれるかな?とは思いますが、問題は職人さんです・・・・・

それと、父親です。自分は必要とされないと思ったのか邪魔をしに来ます。

レイアウト変更前

レイアウト変更後

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