廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⒄
次の段階は・・・
パークでどうしても洗えない品は、10キロのゾールで洗っていました。
このドライ機がある事を先生に伝えていませんでした。殆んど使わないので作業場と別棟の10坪ほどの小屋にタンブラーと並べて置いてあり、品に埋もれていました。この小屋は僕らは包装場と呼んでいて、仕上がった品をここまで運び、仕上げが終われば、ここでまとめて包装していた場所で完成品置場でもあります。
ある日、たまたま先生の目に止まり、「ゾールのドライ機があるじゃないですか、これを使いましょう!」という事になりました。
ただ、このままでは使えないので色々改善と設備投資も必要になります。
このドライ機を使う最大の目的は洗う点数を少なくする事です。パークは1ワッシャーに35~40分かかるのでこれ以上洗う点数を少なく出来ません。このゾールのドライ機はアナログで洗浄時間と脱液時間を設定出来ました。いろいろ試した結果4分の洗浄時間液だれしない程度に脱液すれば10分で止まります。10分で止まれば1時間に6回洗えるので4点で洗えます。その後遠心脱液機で3分間しっかり脱液します。しっかり脱液する事で、溶剤と汚れを回収し乾燥時間の短縮になります。綺麗に畳めばシワも伸びて仕上げが楽になります。
次は乾燥ですが、タンブラーは使いたくないのでバサラ(濡れ掛けも出来る整形乾燥機)を1台購入しました。ただ、今振り返れば乾燥時間がバサラ1台、靜止乾燥機1台では足らないような気がします。思い出せないんですが、不足を補うためにタンブラーで数分回していた可能性があります。(ゴメンナサイ)
バサラで(ウエットも同時に)整形しながら乾燥しますので、仕上げが凄く楽になりました。ただ問題点も出てきました。同じような品が続くとバサラに掛けれないのでスピードが落ちて手待ちが出来てしまいます。手待ちを無くすためには、前段取りをして品の種類をバラケさせ無いといけません、これも限界があります。色々工夫しながら使っているうち結局1年経ってしまいました。中々解消出来ません。
最終的にはもう1台購入する事になります。
このバサラを導入することで職人さんが辞めていくことになりました。そして、Yシャツをしていたパートさんをドライに来て貰って、新たにもう一人パートさんを入れました。ゾールのコールドマシン(10キロ)、外付け蒸類機を追加、遠心脱液機、整形乾燥機、靜止乾燥機で4点づつ流す流れに変えて良かった事は、選別に時間がかからない、各工程間の仕掛品(ムダ)が最小になる、ウエットとドライのタイミングが合ってきた、仕上げが簡単になり時間がかからない、品のトラブル(事故、紛失、品を探すなど)が無くなった。多分もう、客単セットが出来る。
問題点はバサラでボトルネックが発生することです。
結局10キロのドライ機で「繁忙期も乗り切れるやん!」て、なったんでこの方式は1年で終わって次のステップにいきます。
パークドライ機は1回も使用していません。「じゃまやなぁ~」、てなってしまいました。

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