廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 (29)
父親から通帳と印鑑を受け取り、すべてを引き継ぐことになりました。
個人店だったので、その頃の経理は売上は父親が帳面に記入し、支出の方は母親が大まかに記入していました。申告時期になると売上の帳面、支出の帳面と取っておいた領収書類やその他証明書類を持って「民商」さんへ持って行きます。
しばらくすると簡単な決算書が送られてきます。最初これを見たときサッパリ分かりませんでした。まあ、売上と人件費とわずかな利益が出ていることぐらいは分かりました。
そもそもこの数字が信用出来るもんなんか?
ちゃんとした正確な数字が知りたくなった(トヨタ式のおかげか?)ので、知り合いから税理士さんを紹介して貰いました。先生からアドバイスをもらい税理士さんと相談して会社組織に変更する事になりました。
最初は僕がパソコンに入力していました。そのおかげで段々見方が分かってきたんですが、いつまで経っても損益計算書の結果の数字と僕の感覚が合わないんです。
税理士さんに説明して貰い「ふん、ふん」とうなずいていますが頭が悪いんで理解出来ません。経理の勉強をしていないんでちゃんと読むことが出来ナインやと思います。普通やったら経理の勉強すると思うんですけど、僕は自分が分かるように簡単にエクセルで作りました。
大きい会社じゃないし科目もそんな多くないので、自分が見て収入と支出が分かり、月末にいくら現金があるか分かるようにしました。平準化になっていて経費が毎月そんなに変わらないと言うこともあって分かりやすくなりました。
と言うか、繁忙期に仕事しないのでめっちゃ利益がでるんです。これっておかしいですよね?、で、工場売上と言うのを教えてもらいました。
普通のクリーニング屋さんは預かった分だけ仕事するので、この発想は出にくいと思うんですが、はりまやは預かった売上と仕事をした売上(分かりにくいかも知れませんが)は、別物なんです。
1点単価✕生産点数=工場売上になります。
工場売上に対して利益が出ているか見ないといけないので、その月の工場売上に対してその月の経費を引けば、その月の利益がでます。
工場売上は、上半期下半期では差が出ますが、だいたい同じ様な売上になります。経費も突発的な費用がなければ、だいたい同じ様な金額になります。なので、この月利益がでれば、だいたい同じ様に利益がでます。逆に赤字になればずっと赤字です。
クリーニングはリピート性の高い仕事なので、天変地異やコロナみたいな事が無い限り大きな売上の変動はありません。ですので、1ヶ月間で利益がでればかなりの確率で決算は利益がでます。逆に赤字になれば、要改善です。
この頃になって安定的に利益も出だしたので、借入返済しても、やっと報酬もそれなりに頂けるようになりました。
そして作業の方も、どういう問題が起きているか発見するために、ずっと見ているだけになっていました。
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