廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 (43)
はりまやを廃業する事を、8月のはりまやG2で確定しました。
それを知った、一緒にトヨタ式を始めた友人が、心配して訪ねてきてくれました。

長い間、トヨタ式の友人や回りの同業者の方との連絡や交流も無く、自分で考え決めたこと(廃業に進む事)と、ムダを無くす作業を追求しながら、黙々と作業していました。

僕は自社(または自店)の規模が縮小していく事になんの疑問も湧きませんでしたし恥ずかしいとも思いませんでした、それが普通だと思っていました。
クリーニング需要が減り売上が下がれば事業の縮小が当たり前だと思います。
それを受け入れることが出来ないだけだと思っていました。
同業者の方からは「えらい売上げ下がってしまったんやなぁ~」と、ウチに来て同情の目で見られます。まぁ、昔からそんな感じで見られてたんで、「そうやねん、大変やねん」と言っときます。
僕としては、予定通りやねんけど・・・
その当時でも、時々見学に来る方がおられたんですが、作業場には品が全然ないしガランとしてるので、一回りして質問も無く早々に帰られます。
作業場に品があふれている方が良いんでしょうかね?
(言ってくれれば用意しとくのに・・・)
売上を上げたい人達には、多分参考になるとこは無いと判断されるんでしょう。
量を集めてるのは、大手さんなんで大手さんを参考にしたら良いと思います。

たまたま営業センス(古い表現?)があって売上が上がったとしても、それは少ないパイを同業者同士で取り合っただけで、いずれまた売上が下がる時がきます。
多分、それを繰り返しながらクリーニング業界は縮小して行くんだと思います。

世の中の流れを考えれば、クリーニングと言う仕事を守り維持しながら、自社を発展拡大したいのであれば、他の伸びる異業種にも進出し、そちらで業績を上げる方法を考えるほうが良いと僕は思っています。

家庭で洗える衣服が増え購入金額も下がっています。洗剤や洗濯機も進化しています。
家庭で洗える衣服が増えたのに、家で洗わないでコインに持っていかれる方もおられます。
コインランドリーが数年でたくさん増えました。そういう需要が増えていると言うことですか?
家庭で処理出来るのに、クリーニングに持っていかないでコインへ持っていく?
お客さんの価値観とクリーニング屋さんのサービスが完全にずれているんですか?
クリーニングと言う価値を考える時じゃ無いでしょうか?
家庭の洗濯代行を望まれてる方もおられるんじゃ無いでしょうか?
ウチの嫁は、洗うのは洗濯機が洗ってくれるけど、ハンガーに掛けて乾かすのが大変、なかなか乾かないし(ウチ、乾燥機有りません)、家族毎に畳んで直すのが大変、その時間がもったいないと言います。
洗濯にかかる時間を取り除いてあげれば、シミを抜いてアイロン掛けるより喜ばれるかも?
あっ、販促をしたこと無い、何も分からない素人が出しゃばってすいません、嫁がいつもぼやいているもんで・・・
トヨタ式はどうしたら楽になるか考えるんで、嫁を楽させたいと思いました。

これからのクリーニングはさらに多様化していくと思います。
裕福層とそれ以外の客層、
高品質(こだわり)のクリーニングと家庭の洗濯代行的なサービス。
今のクリーニング層も残るでしょうが激減する?
どういう仕事をターゲットに選択するかは経営者しだいです。

日本も含めクリーニングという産業が成り立っている国は、家庭の洗濯代行的な仕事の需要が多い国がクリーニングという仕事を支えていて、その中に高品質クリーニングの需要もあるらしいです。
要するに衣類を洗う仕事があるという認識が国民にある国がクリーニングを支えています。
今の日本は、衣類を洗う仕事があるという意識が無くなってきていることが、一番の問題だと思います。

僕はポジティブで明るい性格では無いと思います。
どちらかと言えば、いつも危機感みたいなものを感じながら仕事してきました。
その方がやることがあるので、楽だからです。
人付き合いが苦手です、言葉数も少ないです。みんなと遊べばそれなりに楽しいですが、小さい時から一人遊びの方が好きでした。
だから、工場作業に惹かれたのかも知れません。
自分の興味のある事には時間を忘れるぐらい集中して取り組めますが、それ以外はどうでもいいです。付き合いにくい人間です。

僕らの年代はバブルを知っているので、ネガティブから入ってもはねのける事が出来るような気がしますが、バブルを知らない方達はネガティブになると、本当に落ち込んでしまい立ち直れないような気がします。
ネットが発達し情報が溢れ、情報量に踊らされ、知識がある事がすべてを分かっていると、頭だけで考え勘違いし、行動に起こす事ができていないように感じます。
情報もジャスト・イン・タイムで、必要な情報を必要なだけ必要な時に取り入れれば行動に移しやすくなると思います。
育ってきた環境で教育方針も変わっていくんでしょうね。
いつも元気で明るく前向きなポジティブが良いですよね!
調子のいい人は苦手ですが…

久しぶりに友人に合い夕食を一緒にしながら、色んな話を聴かせて貰いました。
昔の友人、グループはどうなっているのか、どうしているのか、今のクリーニング業界、将来の展望など、いろいろ聴かせて貰いました。
最後はやっぱり「これからどうするのん?」と聞かれます。
この時は具体的にどうするか決めていませんでした、ちょっとゆっくりしながら
(もう、ゆっくりしとったけど 笑)
考えようと思っていました。

友人との話の中で、トヨタ式をしている所が少なくなった事やトヨタ式を知らない世代も出て来ているやろうな、と言う話題になりました。
そういう話を聞くと、なんか寂しくなり何とかトヨタ式を残したいと思う感情が出てきました。
はりまやで後継者を作れなかったので、クリーニング業界でトヨタ式を始めてくれる後継者をつくりたいと思いました。
また、トヨタ式を勘違いされていたり間違って理解されている方達もおられるので、それを訂正して本当のトヨタ式を分かってもらいたいと思いました。

トヨタ式をした人にしか分からないと思いますが、クリーニングの世界観が変わりますし、これからの厳しい業界で少しでも長く経営して行くためには、トヨタ式の考えを取り入れる事は必須だと考えていました。
ですので、トヨタ式を取り入れてくれるクリーニング屋さんを作ることが、今までクリーニングの仕事で生活出来てきた事への業界の恩返しになると思いました。

「クリーニングのトヨタ生産方式はクリーニングの技術やサービスを高めてくれる生産技術です」規模や業態に関係なく取り入れる事が出来ます。

その友人もトヨタ式はもちろんですが、それ以上にVeit(ファイト)の仕上機をもっと世に広めたいと言う目標を持っていました。僕もVeit製の仕上機を使うようになってから、品質と生産性が格段に上がったので大賛成でした。

僕はトヨタ式を、友人はVeit製仕上機を、クリーニング業界に広めようと考えが合いました。
これはお互いお金儲けをするのでは無く、お世話になった事への感謝の気持ちを業界に恩返しすると言う気持ちでする、ここでも意見が合いました。

そして、2馬力+Msiftと言う勉強会を立ち上げました。
クリーニング全般の勉強会を通して、トヨタ式とVeit仕上げ機を広めて行こうと決めました。
(今は完全にボランティア活動になってしまいました)

クリーニング屋さんの作業の改善をするという極めて狭い範囲で活動させてもらっていますが、友人の力強い援助も有り順調(僕としては)に来ていましたが、コロナでかなり影響を受けました。

それでも、先日、新たにトヨタ式を導入してくれたクリーニング店さんが出来ました。
今までは既に、トヨタ式を導入されているクリーニング店さんを主に回っていましたが、新規でトヨタ式を導入されるクリーニング店さんに、巡り会うことが出来ました。
「縁」があったんだと思います。年齢も若く自分の子供と同年代ですので、自分の息子のように思えて大変嬉しいです。
お客さんに信頼され、喜ばれて儲かる、まともなクリーニング店を目指して頑張って行って欲しいです。それがさらに後世に繋がれれば幸せです。

本当にやる気が有り行動に移されると、その気持ちがこちらに伝わるので、
身銭を切ってでも、応援したくなります。

体力も落ち、行動力も鈍ってきてもう、恥ずかしいです、
残された時間も少ないですが、トヨタ式を理解し実践して貰うことが
業界に貢献できると信じて行動して行きます。

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