廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⑾

前後してしまいますが、最初に先生から言われたのは点数を付けることです。
入荷点数は、その日預かった点数をドライウェット、Yシャツ、雑物、毛布布団類、シーツ類に分けて毎日記帳する事、
生産点数は、その日仕上げた点数、その時はまだ客単セットまでしていなかったので包装までした点数を毎日記帳する。
もう一つは、作業時間です。パートさんはタイムカードを押しますが、僕を含めた他の者は何時間作業したか分からなかったので、全員タイムカードを押すようにしました。でも、問題は母親です、仕事の途中で自宅のそうじをしたり買い物に行ったりします。
また、人によって作業を始める時間も終わる時間もマチマチです。始業時間も就業時間も決まったものがありません。
これらの基準を決め(決める事ができれば)正確に付けることで自社の能力が点数で分かるようになります。

「人時生産性」です。

1時間当り一人が何点完成品にできたかと言う値です。
トヨタ式では、完成品とはお客さんにいつでも返せる状態の事を言います。返せない状態は未完成でまだ仕上っていないと言うことです。客単セットまで出来てすぐに返せる状態です。
普通のクリーニング屋さんで生産性を計算されている所でも、客単セットまでして計算されてる所は少ないんじゃ無いかと思います。取扱量が少ない所は出来るかも知れませんが、取扱量が多くなると、工場でしていては間に合わないので取りあえず店舗毎に分けて店舗でセットしている所が多いと思います。ですので、品の種類毎に1時間で〇〇が〇点、◯◯が〇点という風な数え方になると思います。これでは正確な生産性は分かりません。まとめ作業で部分毎の点数を上げると、ボトルネックが増え返って生産性を下げる事になります。そして、客単セットまでしていなければ、客単セットにどれだけ時間がかかっているか見えてきません。
見えていないので、機械に合わす為に、わざわざ時間をかけ仕分けをして、まとめて洗うんじゃないでしょうか?そして又時間をかけて元にもどします。冷静に考えればメッチャ、ムダな事してます。大手さんなんか自動分配機とかいうものに多額のお金とスペースを投資してます。
トヨタ式では作り過ぎが最大のムダと考えられています。作り過ぎがムダの根源で、色んなムダを生み出していきます。
洗い過ぎないような機械と作業の仕方、バラけないように順番にできる機械の選択と配置、作業の仕方、そういう所にお金を使えばメッチャ儲かりそうなんですけど?
こんな言い方したら叱られるか知れませんが、クリーニングて洗って仕上げるだけやねんけど、なんでこんなたいそうな事になってるんやろ?

そう思った事ないですか?

クリーニングは大変です・・・・・

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