廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⒂
父親が邪魔をする事(僕から見た場合)は後で書くことにして、職人さんやパートさんついて書きたいと思います。
洗い全般は父親の仕事で、仕上げ全般は職人さんが仕切っている状態でした。洗い終わった品を、職人さんが判別しパートさんに指示を出し段取りをしていました。と、いっても種類毎に仕分けてどの品から仕上げていくか、これはオレがするから、あれとそれはお前らがしろ、みたいな感じです。
パートさん二人は、僕が小学生の頃から働いて貰っているベテランです。古株の方のパートさんはもう職人さんと遜色ありません。良い悪いは別にして一応何でも出来ます。もう一人のパートさんもややこしい仕事は二人がするので、しないだけで技量はあると思います。職人さんは二人より後で働くようになりましたがもう長く努めて貰ってます。僕より20歳位年上で経験も豊富ですし、実際に仕上げの手ほどきを受けていました。
そんな経験も技量も劣っている僕が、仕事の指図をしても受け入れて貰えないと思いました。いきなり職人さんに包装をしてくれと言っても無視されるのが落ちです。と言うか、いきなりではとても言えません。
ちょっと話を聴いて欲しいことがあるので、と言うことで仕事が終わってから喫茶店に呼び出しました。
ここで話した事は長くなるので要約すると、今のはりまやの問題点、これからの方向性と目標、それをするためにコンサルの先生の指示に従って進めて行きたい、みたいなことを話しました。事前にトヨタ式の工場に見学に行っていたのでそんな予感はあったんじゃないでしょうか、取りあえずその時は協力するみたいな事を言ってくれました。まあ、ここで断れば、辞める辞めないということの話になるので、その時は、そういう風に答えてくれたと思います。
と言うことで協力はしてくれることになったんですが、気分が良いはずはありません。今までやってきた経験を通した考え方やプライドもあるはずです、それが何も知らない実績もない若造から一々指図されるわけですからやってられないとなると思います。プライドが高ければ高いほどガマン出来ないと思います。結局、しばらくして辞めて行かれる事になりました。特に感情的にぶつかったからではありません。

パートさん達は家族付き合いもあって、僕を小さいときから知っていて、ゆくゆく跡を継ぐ事は想定済みの事です、僕が返ってきて実際仕事をするようになり、やる気を無くしている時も知っていますし、今、色々やり方を変えようとしている事は認めてくれていました。なので、僕の言う通りにはしてくれていました。でも、いつも変えているとさすがに「もうついて行かれへんわ」と言う話しになりました。何度も話しをしたんですが、後に辞めていってしまうことになりました。
結局2年ぐらいで父親が雇った方達は全員辞めてしまいました。
これが良いか悪いかは分かりませんが、改善はどんどん進んで行きました。

今までが、同じ事の繰り返しで毎日同じ事さえしていれば良い、また、自分の都合で思うように仕事が出来る環境から、突然、毎日作業の仕方を指示され変わっていくという環境になれば、当然戸惑うでしょうしそれに合わすのが大変になると思います。
全体が良くなる方法を、自らが考え変える事の出来る環境や社風が出来れば、一人ひとりがやりがいを感じながら仕事が出来ると思います。
そんな「はりまや」にしたいなぁ~、と思っていました。

  • 株式会社オリタニ
  • リキネット
  • ファイトオーナーズクラブ