下の動画は僕がクリーニングを辞める直前(約3年前)に撮ったものです。
仕事の仕方は、
一点づつ洗って、
脱液して、乾燥して、仕上げて、包装して、客単位セットまでして、
最初の前処理に戻ります。
1時間に15回繰り返します。
要するに人時生産性(客単セットまでして)が15点になります。
毎時間ほとんど同じ点数が仕上がります。
(9時から14時位で終了、その後ワイシャツを約2時間で17時までに終わり)
毎時15点仕上げるのが「はりまやのカジュアルコース(ねらいの品質)」です。
そうなるように仕組みを考えています。
要するに平準化できるように、
受付、検品の仕方から、各工程の時間、
作業手順、作業方法、機械の種類、レイアウトなど
細かく計算しています。
それは、違う種類・状態の品が流れてきても対応するためです。
そうすることで品質がいつも安定した状態で
仕上げる事(出来映えの品質)が出来ます。
次の動画は、一点づつ洗って二点で流します。
二点で流すので、一点仕掛品ができます。
このレイアウトでは、
二点で流すと僕の移動距離が短くなるので、
一点で流すより生産性を上げる事が出来るのですが、
そうすると脱液機が一台しか無いので洗いが追いつかず、
手待ちが発生してしまいます。
必要点数が増えれば、脱液機をもう一台増やすか、
二点で洗うかになります。
僕なら、脱液機をもう一台購入します。
一点洗浄から二点洗浄になったとたん、
ルールが増え、作業数も増え、タイミングも考え合わせ、
凄く大変になってきます。
一点なら、何も考えること無く気づけば仕事が終わっている感じです。
ライン内(前処理から客単セットまで)の点数は
最小19点から最大27点の間で作業しています。
ですので、約1時間20分から2時間以内で
洗った順に品が順番に仕上がっていきます。
大昔、品を探し回っていたなんて信じられないです。
いろいろだと想いますが
(実際はもっとゆっくりです。老体では持ちません)
年中、このような作業の仕方です。
繁忙期だからといって、洗う点数を増やしたりしません。
一番見て頂きたいのはどういう事をしているか?
『どういう事をしていないか』
を見て欲しいんです。
皆さんがいつもしている作業を思い出してもらって
比較してもらいたいんです。
「皆さんがいつもしていて、僕がこの動画でしていないこと・・・」
分かりますか?
品があちこちに掛っていますか?
滞留品はありますか?
たぶん、「それが作業のムダ」になると思います。
皆さんがいつもしている事をしなくても、
作業は完結します。
そして、早く仕事が終わり体が楽になります。
もしくは、人件費の削減ができます。
「有名な七つのムダ」
⑴作り過ぎのムダ
⑵手待ちのムダ
⑶運搬のムダ
⑷加工そのもののムダ
⑸在庫のムダ
⑹動作のムダ
⑺不良を作るムダ
お金にならないことをしなければ
時間ができるので生産性、品質があがり
コストが下がって
お金が残るという段取りになっています・・・
上記の作業の仕方は一定の条件を満たさないと出来ません。
必要点数(要するに平準化した売上)、機械設備、レイアウト、人員などにより、
作業方法は変わります。
自社の現状で、一番ムダを無くす方法を考えて下さい。
それが「トヨタ式」で
その考え方に規模の違いはありません。
以上、「流れを作る」について、僕の体験を通して考えた
要点をまとめてみました。
これをまとめて、つくづく思うのは
一点流しとまではいいませんが、
クリーニングという仕事は
「顧客単位で作業をする」
という方法が当たり前の普通で、
それが現在の大量生産方式のように
業界に確立され根付いていれば、
クリーニングは根底から変わっていたと、
自分が実際に体験して、
その違いを頭と体で実感できたので
凄く残念でなりません・・・
悔しいです・・・