廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⑹

クリーニングの仕事をやめて新しい仕事をすることの決断もできず、はりまやを任せてもらえず、嫁さんからはお金が無いと言われ、もう、八方ふさがりです。
そんな時、あの資材屋さんが
「自分はどうしたいん?いいセミナーがあるから行かへんか?」
て言われたんです。
僕は、不明品・紛失品を無くしお客さんに喜ばれるやりがいのある仕事にしたいんです。もっと合理的にできる作業で残業を無くして品質を上げたいんです。家族が普通に生活できる報酬が欲しいんです。
その研修は三日間あるらしいです。「三日間も仕事を休むことできひんのでムリや」って言ったんですが、社長に一緒に頼んでみようということになりました。父親はすんなり許可してくれました。父親もそれを望んでいたんでしょう。
仕事を休んでセミナーを受けることになりました。
セミナーを受講し分かったことは、今の自分の現状を作ったのは父親のせいでは無く自分が作っていたという事です。人のせいにして逃げていたんですね。それが分かったので、現状を変えるためにはどうすれば良いかを学ぶために、次の上のセミナーを受けることをすぐに決めました。次は四日間の合宿セミナーです。また、四日間も仕事を休まないといけません。
今まで時間が無いと思っていましたが、時間は作れるんです。自分が時間を作れないと思っているだけなんです。欲しいものを得るには自分の持っているものを捨てないといけないんです。捨てることが出来ないので欲しいものを得ることが出来ないと思いました。優先順位を考え要らない物を捨てる。お金や時間や人間関係かも知れません。僕のこの場合、現状を変えることが一番欲しい物です。変える方法を得るために仕事をする時間(お金)を捨てました。これから先長く仕事をしていく上で、四日間の仕事の時間より、変える方法を身に付けた方が自分の為になると思ったからです。それが家族の為、はりまやの為になると思いました。休む段取りをして、もう父親には事後報告です。
仕事を休んで四日間の合宿セミナーで分かったことは「行動こそ真実」という事でした。人はその人の行動を見て評価するという事だと思います。僕にはそれが無かったんです。いくら頭でこうしようと思っていても、言葉で良いことを言っていても、行動と一致していなければ評価されません。考えていることを行動で表現しないと人に分かってもらえません。言っている事とやっている事が全然違うと認めてもらえないんです。でも、僕も含め人は自分の事になかなか気づかないものです。
僕は、はりまやを任せてもらってトップにならないと、何も出来ないと思っていたんです。そんなことは無くて、自分の出来る事、やれる事からしていけば良かったんです。そんな事も分からず、何も行動に起こさず、すべて父親のせいにしていたんです。
クリーニングを変える方法はこの時点ではまだ、分からなかったんですが、変えないといけないという僕の気持ちを分かってもらう為に工場の掃除から始めました。

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