廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⑻
後日、先生に紹介してもらい見学に行きました。
もう、27年前になりますが、その時の気持ち感情そして映像はハッキリ覚えています。
すべて僕の想像を超えていました。
すべての事に丁寧に説明して頂き教えて頂きました。
僕が知っていたクリーニングとは根本的に考え方が違うんです。
受付からお渡しまで、もう、ぜんぜん違うんです!
(具体的に紹介したいのですが、無断でできないので悪しからず。)

とにかく帰りの車中では、「もう絶対!トヨタ式する!」と決めていました。
人によって、とにかく売上を上げる売上優先の人、利益を出し堅実に経営する人、シミ抜きにこだわりたい人、仕上げにこだわる人、人間関係重視で仲良く仕事したい人、色々あると思いますが、僕はトヨタ式にはまってしまいました、
「一点洗いがクリーニングの理想や!」
「お客さんに喜んでもらうにはこれしかない!」
と、思ってしまったんです。
で、はりまやに帰って工場を見回してみて、ガッカリするんです。
あまりにも違いすぎます。どこからどういう風に手をつけたらいいか全く分かりません。
「これはダメや、まったくわからん」
それで、伊藤先生にコンサルを頼むことになるんですが、
「コンサル料高いんやろうなぁ~?」
有り難いことになんとか僕が融通できるギリギリの範囲だったので、父親の承諾無しに決めてしまいました。
ここから、僕のクリーニング人生が変わっていきます。

はりまやに帰ってクリーニングの仕事を始め、トヨタ式に出会うまで約十年近くかかっています。この間にバブルの影響で自店の作業能力以上の量が集まり、今のクリーニングの作業の仕方の問題点が噴出し、それがクリーニングの経営に重大な影響を及ぼしていることに気づけた事は良かったと思います。十年間苦労したのでトヨタ式に出会えたと思います。苦労していなければ出会えなかったと思っています。
でも、今考えれば、そこに気づく為に苦労した十年間は必然だったような気がしてなりません。だから、今クリーニングを辞めてもこんな文章を書いているような気がします。
コロナ過、進退を考えておられる方を除いて、これから先長くクリーニングをすると考えておられる方は、真剣に考えて欲しいです。今の作業の仕方(加工方法ではありません)では、売上が上がっても下がっても成り立たないです。売上が上がり続けている時は、お金が回るのでやり繰りできます。でも、今の作業の仕方では売上が上がらなくなった途端、資金繰りに困窮します。もう、そういう時代は来ないと皆さんも感じてられると思います。とにかく皆さんの作業の仕方は売上が上がる前提でしている作業の仕方なんです。下がる前提にしろとも言っていません。売上は上がったり下がったりするものです、根本的に考え方を変えてもらって、色んな状況に対応できる現場に変えて欲しいんです。そうしないと利益がでません。お金が残りません。余裕のある間に少しづつでも良いので変えていって頂きたいです。

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