廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 ⒀
外交のその後ですが、男の子が急に来なくなりその年の繁忙期は僕が回る事になりました。
次に来てくれた方は60歳前の男性の方です。前回の事もあったので具体的にしっかり仕事の内容を説明しました。最初不安そうでしたが、試しにと言う事で始めましたが、仕事についてこれず早々に辞める事になりました。やはりもっと仕事を軽減しないと、この後も続かないと感じました。
次に来てくれた人はその当時の僕と同年代の方です。大病を患われた後で少し身体に不自由がありましたが、話しを聞けば仕事には影響無く問題が無いみたいです。奥さんも子供さんもおられ、頑張って働かないといけないと言う気持ちがあふれていました。この方にも仕事の内容をしっかり説明して本人も納得の上、働いてもらう事になりました。仕事が遅くなっても文句一つ言う事もなく頑張ってくれていました。この方が安定して働いてくれたので僕は工場の方に専念する事ができました。
数年間、信頼して任せきりにしていた事で後に、不正が発覚して辞めることになってしまいましたが、それはこちらの管理がしっかり出来ていなかったことが原因でした。不正が出来る仕組みで、それをチェック出来る仕組みも出来ていませんでした。もっとしっかり管理できていればもっと長く働いていただけたでしょう。この経験を活かしてまた、改善です。
その後数人の方が来てくれましたが、長続きすることなく辞めていきました。人が辞めるとその度に僕が外交に戻り引き継ぎをしなくてはなりません。その時間が勿体なかったので戻らなくてもよい方法を考えていました。
その頃にはバブルも落ち着き外交の売上は徐々に下がっていってました。売上が下がっていたんですが週3回の訪問を週2回の訪問に変えました。訪問回数が減れば売上が下がります。店舗の方の売上がそれ以上に上がる傾向だったので、全体の売上は変わりません。
週3回2コースから週2回3コースに変えました。これで配達時間が短縮出来ます。検品タグ付けも売上が少ない店舗でするようにしました。
もう一つこの期間にしていた事は、顧客情報を集め整理し、誰にでも分かるようにする事です。
お客さん毎に色んなルールがありました。これを覚えるのが時間がかかり大変でした。氏名、住所、連絡先はもちろん、配達順の地図を書く、伺った時チャイムを鳴らすのか鳴らさないで、決まった場所に置いてあるのか、伝票の置き場所、お返しはどうするのか、留守の時の預かりお返し、雨の時は配達するのかしないのか、どんな要望があるのか、支払い方法などなど、一件ごとに書き出します。
これが出来て人が辞めても僕が外交に戻らなくても良いようになり、引き継ぎ期間も大幅に短縮出来ました。営業日報も作りこれを見れば過去の取引がわかる様にしました。
これで取り敢えず主婦のパートさんでも回れるようになったと思いますし、急な欠勤があっても対応できる様になりました。
人が辞めると大変ですが作業を変えるチャンスでもあります、新しい方法を新しい人に教えれば簡単に新しい方法が定着します。
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