廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 (23)
ある日、機械メーカーの営業マンがはりまやに来られました。
話の内容は「当社のドライ機を見に来て下さい」と言うことなんですけど、こちらのメーカーさん近々廃業される事になっていて、一番最後に作ったドライ機を見に来て下さいということです。最期の1台なので今回手に入れなければもう無いわけです。
このドライ機が「スーパードライマークⅡ」です。トヨタ式を取り入れてられる工場で使われてる事が多いと思いますすが、洗いの品質にこだわっている方も使われてる所がたくさんあります。
このドライ機の特徴は、2ワッシャー(1ワッシャーも有ります)10キロ(16キロも有ります)で、最短4分(2分洗浄2分軽脱液)でキッチリ止まります。
交互に洗えば2分間隔で洗えます。この後遠心脱液機で脱液すれば、1時間に30ワッシャー回せます。
1点づつ洗っても1時間に30点洗えます。
もちろん、短時間で綺麗になるような工夫もされています。ドラムの構造・形状が普通のドライ機と全然違います、溶剤の流量が半端ないです、パウダー式の蒸類機も付いてます。2分で不安なら連続で何分でも回せます(長く回せば品が傷むだけなので必要ないですが)。
こんなドライ機他には無いので僕らにとっては喉から手が出るほど欲しいドライ機です。普通ならこんな手間のかかるドライ機より、マイコンでスイッチひとつで乾燥までしてくれる方が楽だと考えると思います。
洗うだけならそうかも知れませんが(プロといえるのか?)、要望もあるし、仕上げもしないといけないし、お客さん単位に戻さないといけないし、と、考えれば全体の仕事を通して楽な方法を考えた方がいいと思いませんか?
楽と言うのは手を抜くのでは無くムダな事をしないと言うことです。
もう、手に入らないのなら買うしか有りません。買わない選択は有りません。
でも、残念ながらお金の都合がつきません。ここまで、かなりお金使ってるので銀行に掛け合っても、組合も保証協会も貸してくれません。

機械メーカの社長にお金の都合がつきませんとは、恥ずかしくて言えません。言ったとしても、「時間とお金は作るもんや」と窘められそうです。

酔っ払うとこういう事を嫁に愚痴る癖があるみたいです。
(都合の悪いことはすぐ忘れます)
それを聞いていた嫁が
「そんな、欲しいんやったら、買ったらいいやん!」
て、言うんです
「だから、お金がないねん!」
こいつ、ほんま、わかってないな!
「私が、出したるやん!」

「はぁ?、なに言ってるんや?」

結局、嫁にお世話になることになりました。(ヒモか?)
結婚してからは貯金できて無いと思うので、OL時代に貯めたお金じゃ無いかと推測しております(怖くていまだに確認しておりません)。
当時の金融関係に努めていて結構なお給料を貰っていたと思います。あっ、ちなみに嫁とは高校2年からお付き合いをさせて頂いており、今年で45年の赤い糸で繋がれております。
まぁ、それは置いといて、ついでにバサラをもう1台買って頂きました。骨までしゃぶりつくひどい夫です。
そんなこんなで、すったもんだ有りましたが、スーパードライマークⅡとバサラがもう1台入り、僕は大満足です。

やったね!!(子供か!)

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