廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 (32)

2社のトヨタ式を取り入れてられるクリーニング店さんを見学しました。
僕が目標と決めていた神戸のクリーニング店さんを含めれば、3社のトヨタ式クリーニング店さんを見たことになりますが、3社ともそれぞれ特徴が有りました。
仕上げの勉強をするために行きましたが、はりまやが進めて行く方向性が明確になったような気がしました。
この時はまだ明確には整理出来ていませんでしたが、福岡のクリーニング店さんの管理手法にすごく魅力を感じていました。

色んな顧客層に対してどういうサービスをするかは、客層によって変わってくると思いますが、どんな客層に対してもトヨタ式の考えの作業方法は、そのサービスに合わせることが出来る考えの作業方法だと改めて確認することができました。

皆さんは、どういう風に考えておられるか分かりませんが、色んな知識や技術を勉強し習得しても、それらを発揮する場の環境を整えていますか? 忙しくてそれどころじゃ無かった、忙しい時こそ、それらを発揮しなければならないのに出来ない、(コロナ過では発揮できますか?)そんな事を、繰り返していないでしょうか?
僕の個人的な考えですが、クリーニングは品を集め売上と会社の規模拡大する事に集中し、その後の、品のメンテナンスの質と生産性やお客さんの求めている事を疎かにしてきた結果が、業界の衰退を加速させているように感じています。

信頼は取り戻せない?  戻せる!

その後、しばらくしてから見学に行った福岡のクリーニング店さんの社長から直々に、また、福岡に出てこいと言う電話を頂きました。何やら話があるみたいです。
自分自身も、もっと詳しく色んな事を知りたかったので、早々にまた福岡に行くことになりました。
一泊二日で出かけましたが、1日目は工場を見ておくように言われ、一日中工場の作業を見ていました。
はりまやはこの当時まだ、分業制でしていましたが、こちらの工場はもう、入荷棚の棚出しから客単位セットまで作業者全員でする多能工でされていました。こういう作業の仕方を見たのは初めてなので一日中見ていても飽きませんでした。
そして、作業者があっちに行ったりこっちに来たり色んな動きをするのですが、それぞれの作業者がが迷うこと無く動いているのが不思議でした。
この後それぞれがルールに沿って動いていることが分かりました。説明されてすべて納得する事が出来ました。

素晴らしい!

多能工ってこういう事かと関心と納得と、やってみたいという気持ちになりました。

そして、同年代でトヨタ生産方式を取り入れてクリーニングをしている経営者の方々を紹介して貰いました。
熊本県2社、佐賀県1社、福岡県1社、兵庫県1社です。
たくさんあるクリーニング店で、たった5社だけでしたが、僕はめっちゃ嬉しかったです!僕と一緒に始めた友人しかトヨタ式をしている所がないと思っていたので、たった5社だけですが同じ価値観を持った仲間がいてくれたことが嬉しかったです。
その仲間とは、すぐに打ち解け、夜中じゅうトヨタ式談義に花を咲かせることになります。

そして、その社長から、これから毎月、トヨタ式の勉強会をするから集まるよう言い渡され、毎月一泊二日で福岡に通う事になりました。

この頃が、僕の人生の仲で一番楽しかった時です。

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