廃業した2代目クリーニング屋の奮闘記 (38)

はりまやを継続させるのか、頃合いをみて廃業するのか?

社員さんがおられる所は、その方の生活もあるので自己都合で簡単に辞める事は出来ないので、継続する事を模索されると思います。
はりまやも人が安定しない時、社員化した方が安定するかと思い、求人しましたが大きな勘違いでした。働いてもらう方に原因があるのでは無く、こちらに問題と原因があると分かりました。結局いつも同じで、はりまやに問題が有る訳です。

子供が、はりまやの跡を継ぐか継がないかは、子供が色々比較して判断するでしょう。

僕ら夫婦は、基本的には子供の自主性に任せていましたが、嫁の本心は継がないで他の仕事に付いてもらいたいと思っていたみたいです。
僕も継いでもらうより、他の仕事を選択してもらいたいと思っていました。それは、もし継いだとすれば子供の年齢を考えれば30年以上クリーニングをする事になります。まぁ、途中で辞めてもいいんですが、それなら最初から違う事をした方が良いと思うので、この30年は僕らがして来た30年とは全然違うわけで、世の中の流れや業界の先行きを考えれば、果たして30年後クリーニングと言う仕事はあるのか?
今の時代、あまりにも変化が激しいので、ついて行くだけでも大変です。

子供が、跡を継ぎたいと言ってくれば、一度は止めるように説得しようと思っていました。それでも僕の意思を上回る、やるという覚悟があるなら、協力しようと思っていました。今の業態のままでは持続できないので、変えていかないといけない事は明白です。それは僕らがして来た努力より何倍もの努力が必要になってくると思います。

そんな風に考えていたので、僕から跡を継ぐことは言い出せませんでした。
でも、そんな心配?も打ち消すように、長男は大学を卒業すれば何の相談も無くサッサと就職して家を出て行きました。数年してパワハラにあって辞めて帰ってきた時も、どうするか心配したんですが、専門学校に通い、また、違う職業に就き今も続いています。はりまやの選択肢は全然無かったみたいです。そんな長男でも、僕が「もう、仕事辞めるわ」と言ったとき、「継いで欲しかった?」と聞かれました。
本人なりに考えていたんやなぁ、と長男の気持ちが分かっただけで十分でした。

次男は、長男のような行動力のある人では無く、保守的な人なので大学を出てからグズグズしていましたが、嫁の勧めもあって今の仕事に就職し、変わらずコツコツと働いています。

2人とも、自分で決めて決めたことをやっているので、それで良いと思っています。
自分のように決められた仕事をするより、悔いは残らないと思います。

  • 株式会社オリタニ
  • リキネット
  • ファイトオーナーズクラブ