《作業の仕方・進め方が差別化を決める》
製造原価の科目の、
材料費、人件費、燃料費、溶剤費、光熱費などの経費は、
同じ規模のクリーニング店さんなら若干の差こそあれ、
同じような機械で同じような作業をしていれば、
同じような経費になります。
掛かる費用を押さえ差別化できるのは、
「仕事の仕方・進め方によって発生する費用」です。
言い変えれば、差別化と利益を出すためには、
「仕事の仕方・進め方によって発生する費用」を
どういう風に抑えるかということに付きます。
つまり、仕事の仕方・進め方を追求する事は、
良い結果を作る事ができ、
利益を出す「原価低減」の必須課題です。
価値のある仕事をしているかしていないか確かめる方法は、
まず、工場全体を見渡せる所に立って、
その時の現場の状況を素早く確認します。
「実際に今、品の加工中の機械は何台でしたか?」
「実際に今、機械を操作している人は何人でしたか?」
「実際に今、アイロンを掛けている人は何人でしたか?」
それらの割合が、価値のある仕事をしている
設備や人の稼働率です。
よく「動いている」のか、よく「働いている」のかを
判断し見極めることから始めましょう。
そして、全員がムダとはどういうものか分かり
「もう、こんな仕事の仕方はしたくない」と、
全員が気持ちを一つにすることが、
「意識改革」に繋がると思います。
でも、クリーニングは生産点数さえ上がれば
コストが下がったと思っています。
例えば、ムダ作業が排除されて「働き」だけになれば、
5人で行っていた作業が3人でできるようになります。
現在のような環境で需要が期待できない、
仕事量が増減するなどの場合、
必要な仕事量をいかに少ない人員で出来るかを
考える必要があります。
「働き」をさらに進める為には、
各工程の生産性重視の機械配置から
ジャストインタイム(品の仕掛かりや在庫をゼロにする)の
人や品の流れに沿った機械の配置や
レイアウトの変更をしなければなりません。
しかし、現状のままレイアウトだけ変更すれば、
成果が期待できることと
反対に悪くなることが出てきます。
つまり、生産設備の稼働率低下や
数多くのムダやムラが発生してきます。
「だからできない、ダメだ」と思わないで、
そのムダやムラを改善することで
力強い体質が出来上がっていきます。
方向性は合っていますので、
できないと考えて、元に戻すのは間違いです。
原価低減と称して、得られた削減経費が
利益を生み出していなければ、
「取らぬタヌキの皮算用」とか
「見かけの能率」といいます。
例えば、作業改善の結果、
ある作業が30分早く終わるようになったとします、
この30分をどのようなことをしているかが大切です。
何もしていなければ利益どころか、
休憩時間が増えただけとか、
ヒマな時間に要らないモノを作って
仕掛かり品(在庫)を増やしていたり、
やらなくてもいい事をして
時間が経つのを待っている。
可動率は、稼働率と区別するために
「人や設備が動く(べき)時に動かせるようにする」
という意味の読み方として
「べきどうりつ」と表現されることが有ります。
可動率は一般的に
「人や設備が正常に働くことができた時間の割合」と
説明されますが、現場目線で見たら
「工程に仕事が来た時に
すぐ仕事に取り掛かることができる割合」と言えます。
仕事が来た時にすぐに取り掛かれる状態であれば
可動率100%であり理想の可動率と言えます。
可動率の数値が100%でない場合は
工程の前に手待ちが発生します。
これは、7つのムダの「不良のムダ」の
考え方になると思います。
稼働率は、実績に対する能力の割合です。
工場の品の生産能力をベースに算出する場合と
稼働時間をベースに算出する場合がありますが、
どちらもその目的はその仕事で
どれだけ稼いだかを示すものです。
稼働率にとらわれ、稼働率100%以上を達成するために、
必要点数、生産予定数を超える生産を行った場合、
例えば、必要点数・予定点数が200点の場合、
同じ人員・時間で実績が300点なら可動率は150%になります。
数字としての稼働率は達成しますが、
価値のない生産(必要で無い生産)を行ったことになります。
この事はトヨタ生産方式の7つのムダの
「作りすぎのムダ」となります。
動画は、一人立ち1点洗浄2点流しの
工程順跳ね出し作業になります。
している加工内容は、皆さんとほぼ同じです。
違うのは作業の仕方や進め方です。
ジャストインタイムの考えで先入れ先出しを守り
仕掛品を作らないよう
前処理からアッセンブリまで工程順に進めます。
一人で作業をする前提ですが
出来るだけムダが発生しないように作業すれば
(まだまだ、ムダ作業はありますが・・・)
このようになります。
多人数ですれば、変わってきますが、考え方は同じです。
動画があれば紹介したいのですが、
残念ながら撮影していませんでした。
今になって後悔しています。