《納期管理が平準化生産の入り口》
平準化には「量」と「種類」の2種類があります。
平準化生産は量と種類を組み合わせ、一定になるように生産する事です。
量と種類の優先順位は有りませんが、今のクリーニングの作業方法を考えれば、
毎日の生産量を一定にする取り組みから始めた方が導入しやすいです。
納期管理が出来れば平準化生産では無く、
平準化生産の入り口に立っただけです。
お客様に引取り日を決めてもらい納期が決まれば、
毎日のしなければならない仕事量が明確になってきます。
「仕上り日」はお客様が引取りに来るかどうか分かりませんが、
「納期」はお客様と約束した引取り日です。
お客様によって、急ぐ方、一週間以内、以降、一ヶ月、来シーズンまで、
千差万別です。
もっと突き詰めれば、この品は急ぐけど、この品は来シーズンまで要らない。
「納期」はお客様単位では無く、持ってこられた品の数だけあります。
要するに「納期」は一定では無く、真の数だけあると考えた方が良いです。
固定観念を捨て、そういう風に考えられると、量の平準化に取り組みやすくなります。
余談になりますが、トヨタ生産方式の考え方は、
今のクリーニングの考え方と正反対と考えた方が良いと思います。
あらかじめそういう認識で聞いた方が、素直に入ってくると思います。
でないと、なかなか受け入れることが出来ないと思います。
今までが普通で、信じてきた事をことごとく否定されますから・・・
価値観を変えなければ、トヨタ式の導入は難しいと思います。
「納期」がたくさんあれば、その「納期」と「品」を管理する必要があります。
預かった品は、すべて仕上げてしまえば良いと言う考えで、
品を探し回り不明紛失が日常的に行われている、
どんぶり勘定的仕事の仕方ではお客様と約束を守ることは出来ません。
でも、一つの事を守れば簡単にできます。
一点を軽視しないこと、どんな時でも、どんな品でも一点として、全て同じ様に取扱う事です。
普通のクリーニングの作業は、まとめるダンゴ生産、大量生産方式で作業をしています。
ですので、点数に対する意識が薄く、一点一点の取扱いがぞんざいです。
小ロットで作業して頂くと、違いが分かって頂けると思います。
冷静に考えると大切な品を預かっているので当たり前のことだと思います。
「納期の管理」はお客様と納期を約束したタイミングで「納期別」に点数を記入する事です。
カレンダーに記入しても良いですし、自分で分かるように「表」を作り記入しても良いです。
最近では、市販のレジで出来る様になったと聞いたので確認したところ、
結局、レジ屋さんが作った物なので意図が理解されていませんでした。
要改善でした。でも、お金に余裕あるならしないよりした方が良いです。
お金をかけたくなかったら、弊社に「納期管理表」がありますので、連絡頂ければお譲りします。
「納期別」に点数を付け点数を把握出来れば、その点数を納期に間に合うように作業するだけです。
大切な事は、毎日同じ仕事量になるように調整する事です。
「品」の管理は、「納期別」且つ「客単位」でまとめることです。
検品タグ付けが終われば、納期別・客単位にまとめます。
現状の様にばらけてカゴや大きな袋にまとめて入れておくとか、
その辺に適当に置いておくことはしません。
たたんで置いておくなら、納期別の袋(ルートバック程度の大きさ)を用意します、
シワにならないよう綺麗にたたんで袋に入れておき洗うタイミングまで置いておきます。
その袋には、納期が何時(いつ)で何点入っているか分かるようにしておきます。
ドンドンタグ付けをしていくとこのような袋が沢山出来ますので、
洗い忘れを起こさないように、この袋も管理しなければなりません。
納期順に並べて置いておくとか、ホームセンターで棚を購入し棚に置いて管理するとか、
方法はいくらでもあります。
弊社には、袋につける「かんばん」や袋を管理する「入荷管理表」がありますので、
連絡頂ければ使用方法と一緒にお譲り致します。
ハンガーに掛けて管理する方法もあります。
小規模店また、管理スペースに余裕のある工場はこの方が管理が単純です。
検品タグ付け後に品をハンガーに掛け、納期別客単位にまとめ
スリックレールかZ形ハンガーに納期順に並べるだけです。
ここまで準備できれば、後は点数を見ながら
仕事量が一定になるよう調整しながら作業をすれば、
量の平準化生産が出来るようになります。
ここまで、説明してきたのは閑散期の平準化です。
繁忙期になると納期を決める聞き方に、ひと工夫必要になってきます。
また、管理の方法も増えます。
興味のある方はご連絡いただければ、御社に合った方法をアドバイスさせて頂きます。
量の平準化生産が出来る様になれば、売上に見合った仕事の仕方が出来る土台ができます。
売上の増減に対応しやすくなります。
これから先長く経営するためには、仕事の仕方・進め方を変えることが急務です。
「受付日」を基準にした仕事の仕方は、不透明な売上の時代に合った仕事の仕方ではありません。
急成長時代の仕事の仕方・進め方では、常に売上を上げ続けなければ経営はしていけません。
量の平準化生産が出来る様になれば、次は種類の平準化で生産性を上げていきます。
汗水掻いて必死で動くのが生産性を上げることではありません。
ジャストインタイムでムダを無くし、効率良く品が流れる様になれば、
楽して生産性が上がります。
売上の増減で、業績に影響が出にくい作業方法をアドバイスしています。