出荷場の広さはコストと比例する

《出荷場から分かる自社の問題点》

「後行程はお客様」と言う有名な考えがトヨタ生産方式にはあります。

これは、次の工程に迷惑を掛けないように不良品を次の工程に渡さない、

自工程の作業は完結してから、次の工程に進めると言う事です。

自工程の不具合を残して次の後の工程に渡せば、それが後の工程に行くほど大きくなり、

一番最期のお客様に一番迷惑を掛けていしまう事になります。

また、問題を先送りにしているので、問題が大きくなり時間がかかりコストも増えます。

直接お客様と接しない作業でも、「常にお客様の事を考え作業しなさい」と言う、

意味もあります。

 

お客様にお返しする一つ前の工程が出荷場になりますので、

出荷場でお客様にお渡しできる常態になっていないといけません。

お渡し出来る状態にならないまま受付に送れば、

受付スタッフやお客様に迷惑をかける事になります。

お客様に迷惑を掛ければ、信用を無くしてしまいます。

完成品にならないまま出荷する事は無いと思いますので、

完成品にならなければ未完成品の品がドンドン出荷場に増えていく事になります。

各工程で加工され、色んなプロセスを経て出荷場に集まってきます。

作業の集大成が出荷場に集まります。

完成品にするために、検品をしたり、

振り分けたり、組み合わせたりする所が出荷場になります。

 

クリーニングの場合、最終的に客単位にアッセンブリ出来なければ、

お客様にお返し出来きなくなり、迷惑をかける事になり、

信頼を失うことになります。

アッセンブリ出来ない品が増えれば、

必然的に出荷場のスペースが必要になり広くなっていきます。

 

スムーズにアッセンブリが出来ないと言うことは、

最後の工程にしわ寄せがいっていることで、

問題を先送りしています。

後行程のことを考えないで作業をしている事になります。

いくら綺麗に汚れを落としても、シミを抜いても、プレスしても、

約束を守ってお返し出来なければ、お客様に迷惑を掛けることになります。

お客様の事を考えないで作業をしている事になります。

お客様の事を考えない仕事では、信用が無くなります。

スムーズにアッセンブリが出来ない理由が、自社の問題点で有り改善箇所です。

 

仮に、アッセンブリしやすい様に品が仕上がってきて、

包装した品を1点1秒でセットできれば、

1,000点セットするのに1,000秒(約17分)で出来ます。

2秒かかれば2,000秒(約33分)かかります。

5秒かかれば5,000秒(約1時間23分)かかります。

10秒かかれば10,000秒(約2時間47分)かかります。

残念ながらアッセンブリしてくれる機械が無いので、

人の手がいることになり、人件費がかかります。

これは、工場でしても店舗でしても必ず掛かる時間です。

時間内に出来れば問題無いと考えれますか?

「ムダ」と認識できればコストを下げる事が出来ます。

 

各工程で品質を完結しながら、品の流れのバランスも調整しなければなりません。

機械メーカーさんは、今でも大量生産方式の考えから脱皮できず、

且つ、クリーニングの作業を理解しようとしてくれませんので、

1時間に何点出来るというような部分の生産性をアピールします。

(そんなに品が集まったらいいんですけど・・・)

トヨタ式では、ラインスピードを下げたら、

生産性が上がったという事例がいくらでもあります。

要するにタイミングを合わす事が大事になってきます。

少し工夫してタイミングを合わせば、生産性が上がります。

作業の仕方・進め方を少し勉強すればお金が残ります。

 

もう一つ、出荷場のスペースを品が占領している理由に、

本当に「必要」な品だけが並んでいるか。

今、「必要」で無い品が並んでいないか。

「必要」で無い品を生産していないか。

「必要」を調べているか。

「必要」が大切になってきます。

 

今日、「必要」な品に対して、どういうふうにアプローチしていくかが、

生産性と品質を両立するポイントになります。

「必要」を考えていない工場は生産性が悪く出荷場のスペースが広いです。

生産性と品質が両立している工場は出荷場が狭く、

入荷場のスペースが広くなります。

【入荷場】

【出荷場】

 

売上の増減で、会社の業績に影響が出にくい作業方法をアドバイスしています。

トヨタ生産方式の考えを少しでも理解出来た事に感謝しています。

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